ずっと心待ちにしていた映画を観ました
ベルンハルト・シュリンクのベストセラー「朗読者」を原案に
「めぐりあう時間たち」のスティーヴン・ダルドリーが
映像化した「愛を読む人」
この映画で今年のアカデミー賞主演女優賞を獲得した
ケイト・ウィンスレットは沈黙と表情のみで心の動きを
表現できる女優になっていて
後ろ姿まで役に成りきっていました
たくましくて美しい背中
語ることのできない深い闇・・
人生を変えてしまうほど 圧倒的な体験
年上の女性との ひと夏を残像のように引きずって
少年は大人になり、そして再び彼女の朗読者になる
ドイツという国とドイツ人の中に波打つ影も
この映画の中には潜んでいて、誰も踏み込むことの
できない世界を二人だけの愛の葛藤の中に垣間見ました
感動というより ずっしりと重い物語です
時は容赦なく残酷だけれど やさしくもあり
二人の間に溝があったからこそ
向かい合うことはできなくても、男と女として
強く お互いの中に存在し続けたのではないかと思いました
静かに心に迫りくる映画です